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ノアズアークは還らない
エンディング

分岐を確認し、対応する全体エンドに進んでください。

その後、それぞれの個別エンドに進んでください。​

【全体エンドA:ピトフイが最多得票者に選ばれた場合 】

 「時間だ。答えを聞こう」

 60分間の議論と調査が終わり、ケツァールがそう告げる。

 しばしの沈黙の後、あなたたちは迷いを抱きながら、あるいは確信を持ちながら、一人の人物を指し示した。

 ――あなたたちが選んだ犯人はピトフイだった。

 「そうか……貴様か。翼を持たぬ欠落者は、やはりこの島にとって害でしかないな」 
 ケツァールは冷ややかに吐き捨てると、続けた。

 「……それはさておき、ピトフイコドル様は次期族長を指名する前に亡くなられた。これから処刑される貴様に言うのも奇妙な話だが、島の掟により、次期族長の指名権は貴様にある。族長補佐としての最後の務めだ。次の族長の名を示してもらおうか」

 ピトフイを担当するプレイヤーは、自身を除いた他のキャラクター1名の名前を指名してください>

 

 ケツァールが背後に控えていた衛兵たちに冷徹な目配せを送ると、ピトフイは抵抗することもなく連行されていった。……残された者たちは、その背中をただ黙って見送ることしかできなかった。

 ――数刻後。東の空から、雲海を黄金色に染める朝日が昇り始めた。この夜の狂騒と鮮血を洗い流すかのように、清冽(せいれつ)な風が島を吹き抜けていく。

 飛行船『レアズアーク号』は間もなく旅立ちの時を迎える。そして、新しき族長に選ばれた者は島を守り抜く重責を生涯背負うことになるだろう。

 空に浮かぶ島、スカイラント。ここは楽園だったのか、それとも逃げ場のない鳥籠だったのか。 ――その答えは、黄金の朝日に照らされた彼らだけが知るだろう。
 

【全体エンドB:ピトフイ以外が最多得票者に選ばれた場合 】

 「時間だ。答えを聞こう」
 

 60分間の議論と調査が終わり、ケツァールはそう呟く。

 しばしの沈黙の後、あなたたちは迷いを抱きながら、あるいは確信を持ちながら、一人の人物を指し示した。

 ――あなたたちが選んだ犯人は◯◯(最多得票者)だった。
 その回答に、ケツァールは表情ひとつ変えずに深く頷くと、背後に控えていた衛兵たちに冷徹な目配せを送った。

 指名された◯◯(最多得票者)は激しく抵抗し、無実を訴えたが、非情にもその場で取り押さえられ、連行されていった。残された者たちは、その背中をただ黙って見守ることしかできなかった。

 「さて、ピトフイコドル様は次期族長を指名する前に亡くられた。島の掟により、次期族長の指名権は貴様にある。次の族長の名を示してもらおうか」

 ピトフイを担当するプレイヤーは、自身を含む、最多得票者以外のキャラクター1名の名前を指名してください>

 ピトフイがその名を告げると、ケツァールは周囲へ向かって高らかに宣言した。

 

 「……委細承知した。皆の者!新たなる族長が決まった!明日よりスカイラントは新たなる道を歩むこととなるだろう!」

 ――数刻後。東の空から、雲海を黄金色に染める朝日が昇り始めた。この夜の狂騒と鮮血を洗い流すかのように、清冽(せいれつ)な風が島を吹き抜けていく。

 飛行船『レアズアーク号』は間もなく旅立ちの時を迎える。そして、新しき族長に選ばれた者は島を守り抜く重責を生涯背負うことになるだろう。

 空に浮かぶ島、スカイラント。ここは楽園だったのか、それとも逃げ場のない鳥籠だったのか。 ――その答えは、黄金の朝日に照らされた彼らだけが知るだろう。

【個別エンド:オオハシ 】
・個別エンドなし……あなたが犯人として拘束された
・個別エンドA………あなたが族長に指名された
・個別エンドB………あなたが族長に指名されなかった  & 飛行船への細工を実行し、成功した(※爆弾が破り捨てられなかった)
・個別エンドC………あなたが族長に指名されなかった  & 飛行船への細工を実行し、失敗した(※爆弾が破り捨てられた)
・個別エンドD………あなたが族長に指名されなかった  & 飛行船への細工を行わなかった



 
個別エンドA 
 惨劇の一夜が明け、俺は次期族長に就任した。
 まさか、あのピトフイが俺を族長に推薦するとはな……。人生、何が起きるか分かったもんじゃねえ。

 ――飛行船への細工の件は、族長権限で有耶無耶にした。ケツァールの奴は何か言いたげな表情だったが、族長命令には逆らえなかったようだ。おかげさまで地上人たちを乗せた『レアズアーク号』は無事に空の彼方へと飛び立っていった。
 
 俺はこれから族長として、そして技術者として、腐った掟に縛られたこの島を変えていくつもりだ。
 技術は誰かを陥れるための道具じゃない。誰かを守り、明日を拓くためのものだ。 親父が遺したその教えを、生涯をかけて証明してみせる。


個別エンドB 
 惨劇の一夜が明け、朝日に照らされた『レアズアーク号』は力強く飛び立っていった。
 あいつらは今頃、船の中でこの島の思い出でも語り合っているのだろうか?……だが、それも長くは続かない。あと数刻もすれば、俺が仕掛けた爆弾が起動し、船は墜落する。
 あいつらを死なせたくはなかった。だが、島の秘密を地上へ持ち出させるわけにはいかなかったんだ。
 ……いや、本当はただ命令に背いて自分が粛清されるのが怖かっただけだ。

 せめてもの希望は、爆弾の威力を最小限に抑えたことだ。海上に不時着できるまであいつらの船が保ってくれれば、もしかしたら……

 「生き残ってくれ……頼む……」

​ 震える手で煽る酒は、ひどく苦く、そして冷たい。二度と戻らない飛行船の航跡を、俺はただ見送るしかなかった。



個別エンドC 
​ 惨劇の一夜が明け、朝日に照らされた『レアズアーク号』は力強く飛び立っていった。
 事件の調査の中、飛行船への細工が露見し大騒ぎになったが、俺は混乱に乗じて何とか奴らを逃がすことができた。 

 ――だがその代償として俺は今、冷たく暗い牢獄の中にいる。
 ……当然の結末だ。俺は自分の命惜しさに奴らを裏切り、そして失敗したんだからな。
 
格子窓から見える、どこまでも高く青い空。あいつらは今頃、その空を自由に泳いでいるんだろうか?は汚れた手で窓枠を掴み、独り静かに呟いた。

 「……あばよ。いい空の旅をな」


個別エンドD  
​ 惨劇の一夜が明け、朝日に照らされた『レアズアーク号』は力強く飛び立っていった。
 オレは混乱に乗じ、何とか奴らを逃がすことができたんだ。

 ――その代償として俺は今、冷たく暗い牢獄の中にいる。​これからどうなるかは新しい族長の采配次第だろう。
 ……だが、あいつらと過ごし、共に汗を流して船を直した日々は宝物だ。それを壊すことだけは、どうしてもできなかったんだ。

 「技術は人を幸せにするために使え。それが職人の誇りだ」 
 親父の言葉が脳裏に蘇る。その教えを守り抜いた俺の心は不思議と晴れやかだった。
​ 
格子窓から見える、どこまでも高く青い空。あいつらは今頃、その空を自由に泳いでいるんだろうか?俺は窓枠を握り、格子窓の向こうの青い空に向かって、小さく笑みを浮かべた。

 「……あばよ。いい空の旅をな」
 

【個別エンド:ペグー 】
・個別エンドなし……あなたが犯人として拘束された
・個別エンドA………エミが犯人として拘束された
・個別エンドB………エミが犯人として拘束されず、あなたが族長に指名された
・個別エンドC………エミが犯人として拘束されず、あなたが族長に指名されなかった
・個別エンドD………エミが族長に指名された



 
個別エンドA 
 事件は終わった。
 ……けれど、ぼくの心にはぽっかりと大きな穴が空いたままだった。ぼくはエミを……大切な人を失ってしまったんだ。


 「やめて!エミを連れていかないで!」
 刑場へ引き立てられていく彼女を前に、ぼくは衛兵たちに必死にしがみつき、抵抗した。でも、力ずくで引き剥がされ、地面に叩きつけられた。そんなぼくを見て、エミは悲しそうに、でも優しく微笑んだ。あの顔が……今も瞼の裏に焼き付いて離れない。

 ――翌朝、ぼくたちは修理の終わった『レアズアーク号』で地上へと飛び立った。だけど、隣の席にはもう誰もいない。 

 「……ねぇ、エミ。海が見えてきたよ。地上に……帰ってきたんだ」 

 語りかけても、返ってくるのは虚しいエンジンの音だけだ。
 ――ぼくがこの空の島から持ち帰ったのは、夢のような冒険譚ではなく、消えることのない罪悪感と、深い孤独だけだった。



個別エンドB 
 あの夜、ぼくは次期族長に指名された。

 後で知ったんだけど、ぼくの胸にある「ハート型のアザ」は、はるか昔にこの島を興した伝説の王・ノアの血を引く証だったらしい。
 聖者ノアは大洪水から人々を救うため、巨大な島型の方舟『ノアズアーク』を造り、天空に逃れた。
……その後、ノアズアークは地上には還ることなく、彼はこの島の上で王として文明を築いた。それがこのスカイラントだったんだ。

 ――今、ぼくは今族長としてこの島を治めている。
 
最初は翼のない僕を疎む声も多かった。それでも、父さんが愛したこの島の美しさを守りたいという気持ちを、何度も言葉にして行動した。どうやらその思いは少しずつ島民たちの心に届き始めているみたいだ。

 ぼくはこの島をもっと自由で開かれた場所に変えて行きたい。 
 ――その時こそ、本当の意味で「ノアズアーク」が地上に還るときなんだと思う。



個別エンドC 
 事件から一夜が明け、修理の完了した『レアズアーク号』でぼくたちは地上へと帰還することになった。 
 分厚い雲を抜け、真っ青な海が眼下に見えた瞬間――ぼくとエミは思わず抱き合い、声を上げて喜んだ。

 ……父さん。ぼくはずっと父さんが嘘つきなんかじゃないって証明したかった。
 でも、あの島で起きたことは、ぼくたちだけの秘密にするよ。もし欲深い大人たちに飛鉱石や天空人のことを知られたら、この島の平和が壊れてしまうから。
 
 「さあ、次はどこを冒険しようか」 

 ぼくたちは再び『レアズアーク号』を加速させた。まだまだこの世界には、不思議なこと、わからないことがたくさんある。
 ――ぼくたちの物語は、まだ始まったばかりだ。



個別エンドD 
 次期族長として指名されたのは、まさかのエミだった。
 状況を飲み込めず、不安そうに震える彼女の横顔を見て、ぼくは迷わずその手を握りしめた。

 「大丈夫だよ、エミ。ぼくも一緒にこの島に残る。 君がこの島を背負うなら、ぼくは君の隣でいつでもその翼を支える風になるから」


 ――そして、あれから数日が経った。ぼくは今、新族長になったエミを支えながらこのスカイラントで暮らしている。
 彼女と一緒にこの島を「誰もが笑って暮らせる場所」に変えていくこと……それが、ぼくの新しい冒険だ。

 時々、ふたりで崖の上に座って、足元に広がる雲海を眺めることがある。
 いにしえの時代、聖者ノアが天空に逃れた時、彼はきっと孤独じゃなかったはずだ。守りたい誰かがいたからこそこの島を造り、ここに残ったんだと思う。 
 ――だからぼくは彼女といっしょに、いつまでもこの島で暮らしていくんだ。

 

【個別エンド:エミ 】
・個別エンドなし……あなたが犯人として拘束された。
・個別エンドA………ペグーが犯人として拘束された

・個別エンドB………ペグーが犯人として拘束されず、あなたが族長に指名された
・個別エンドC………ペグーが犯人として拘束されず、あなたが族長に指名されなかった
・個別エンドD………ペグーが族長に指名された



個別エンドA 
 悪夢のような一夜は終わり……私とダンチョーは、悲しみとともに地上へと飛び立った。

 ペグー。大好きだったペグー。……私はもう二度と、あの元気な声を聞くことはできないのだ。
 溢れ出す涙で、空の景色は霞んで見えない。ペグーにレアさん。この大空は私の大切な人を二度も、無慈悲に奪い去っていった。 

 「……どうして。どうしてこんなことになっちゃったの」 

 『レアズアーク号』のエンジン音が、私の虚しい独り言をかき消していく。 
 ――この胸の痛みはきっと一生消えない。ペグーがいない世界で、私はこれからどうやって笑えばいいのだろう。



個別エンドB 
 ――まさか、この私が族長に指名されてしまうなんて。
 何度も断ったけれど、この島の掟に拒否権なんてなかった。私は族長として永遠にこの島で暮らすことになってしまったのだ。
 そんな絶望と不安で押しつぶされそうだった私を救ってくれたのは、ペグーの言葉だった。

 「大丈夫だよ、エミ。ぼくも一緒にこの島に残る。絶対に君を一人にはさせないから」

 それから数日が経ち……私は新族長として、慣れない公務に追われる日々を過ごしている。
 でも、隣にはいつもペグーがいて、一生懸命に私を支えてくれている。

 私の夢は、いつかこの島と地上を繋ぎ、自由な交流を始めることだ。レアさんが……私たちが見つけたこの島の美しさを世界中の人に知ってもらいたいから。

 「ねえ、ペグー。これからも二人でいっしょに頑張ろうね」
 私は窓の外に広がる青い青い空を見上げながら、隣にいる彼に微笑みかけた。



個別エンドC 
 惨劇の一夜が明け、『レアズアーク号』は朝日に向かって、力強く地上へと飛び出した。
 後ろを見ると、スカイラントがどんどん小さくなっていく。あの島は私たちから大切なものを奪ったけれど、それ以上に大きな「絆」を与えてくれた。
 機体の中で、私は隣に座るペグーの手をそっと握り、語りかけた。

 「ねえ、ペグー。地上に帰ったらどうする?」

 「そうだね……父さんの墓前に報告したら、次は世界中を見て回りたいな。きっとこの世界にはまだまだ、ぼくたちの知らない不思議な場所がいっぱいあるよ!」

 これからの冒険を語るペグーの横顔は、生き生きと輝いていて……そして少し大人びて見えた。
 水平線の向こう側には、まだ見ぬ大地と、果てしない冒険が待っている。私たちはこれからも自分の足で、どこまでも歩いていく。



個別エンドD 
 事件は幕を閉じ……次期族長に指名されたのはペグーだった。
 なんと彼は、このスカイラントを建設した伝説の王・ノアの血を引く者だったというのだ。

 状況が飲み込めず戸惑う彼の手を、私は強く握りしめた。
 「ペグー!あなたが族長になるなら、私はあなたを一番近くで支える。ずっと一緒にいるから!」

 ――そうして、私はスカイラントに残る決断をした。今は新族長となった彼を支えながら、この島で新しい生活を送っている。
 
 ――あの日夢見た空の上で、私たちはこれからも一緒に暮らしていく。
 血筋や古い掟に縛られたスカイラントの歴史は終わった。これからは翼を持たない私たちが、誰もが自由に笑い合える新しい方舟を築いていく番だ。 茜色に染まる空の下、寄り添う二人の影は、そんな未来を静かに見つめていた。

 

【個別エンド:フラミィ】
・個別エンドなし……あなたが犯人として拘束された。
個別エンドA………あなたが族長に指名された
・個別エンドB………ペグーが族長に指名された
・個別エンドC………あなたとペグー以外の人物が族長に指名された & ペグーが犯人として拘束されなかった
・個別エンドD………あなたとペグー以外の人物が族長に指名された & ペグーが犯人として拘束された



個別エンドA 
 「次の族長は……お前だ、フラミィ。」

 ピトフイさんの宣言とともに、あたしは次期族長に選ばれた。
 「高貴なる血を引く者の宿命」――パパが背負っていたその重い枷を、今度はあたしが背負う番になったのだ。

 ペグー、あなたとはこれでお別れね。本当はあなたといっしょに地上に行きたかった。
 ……でもあたしはもう覚悟を決めたの。パパの意志を継いで、パパが愛したこの島を守るために一生を捧げるって。

 翌朝、ペグーたちを乗せた飛行船が雲の彼方へ消えていくのを見送りながら、私は小さく呟いた。
 「……ありがとう。そして、さようなら。私の初恋」



個別エンドB 
 「次の族長は……お前だ、ペグー

 ――パパの書庫で見つかった古文書に記された真実は、あまりにも残酷だった。
 ペグーこそがスカイラントの創設者ノアの正当なる血筋であり、あたしとパパはかつて王位を奪った「略奪者」の末裔だったのだ。
 きっとパパがレアさんを殺したのは、この不都合な真実が明るみに出るのを恐れたからだ。そして、それを証明するかのように、島人たちの冷たい視線が私を刺し、あたしは今までの立場を失うことになった。

 ――そんな私に手を差し伸べてくれたのは、新しい族長となったペグーだった。

 「フラミィ、君はこの島のことを誰よりも知っている。だから、ぼくを支えてくれないかな?」

 そしてあたしは今、補佐官として慣れない公務に追われる彼を支えている。
 輝かしい血統は失ったけれど、彼の隣にいられるこの時間は幸せそのものだ。あたしはもう籠の中の鳥なんかじゃない。あたしは今、本当の居場所を手に入れたのだ。



個別エンドC 
 悪夢のような一夜が終わった。パパを殺した犯人は捕まり、ピトフイさんの手によって新しい族長も選ばれた。

 ――そして、彼らの出発の日。あたしは意気揚々と『レアズアーク号』のハッチに飛び乗った。
 「パパ、ごめんなさい!あたしはやっぱり、自分の目で世界を見てみたいの!」

 島を捨てる罪悪感がないと言えば嘘になる。
 けれど、操縦桿を握るペグーの凛々しい横顔と、水平線に広がる未知の世界を見ていたら、そんな迷いは吹き飛んだ。あたしは未来への希望を胸に空へと飛び出した。

 やがて高度が下がり、雲を突き抜けたその瞬間、視界一面に広がる鮮やかな「青色」が目に飛び込んできた。
 「ねえ、ペグー……あれが、あなたたちの言っていた『海』なの?なんて大きな湖なの!」

 あたしの言葉に、ペグーが可笑しそうに、でも優しく笑う。
 もうあたしは、籠の中の小鳥なんかじゃない。自分の行きたい場所に、自分で飛んでいく。――どこまでも高く、どこまでも自由に。



個別エンドD 
 最悪の結末だった。
 ペグーはパパを殺した犯人として連行され、処刑されてしまった。そして私は新たな族長に選ばれることもなく、全ての権力を失った。

 窓の外では、まるで私の心を映すように冷たい雨が絶え間なく降り続いている。愛する人も、父の遺志も、自分の未来も、すべてが指の間からこぼれ落ちてしまった。
 「……どうして、こんなことに……」

 ペグーを救えなかった自分への嫌悪感と、もう二度と手が届かない地上への憧れ。
​ あたしはこの狭い島で色褪せた思い出だけを抱えて枯れていくのだろう。暗い部屋の中で、あたしはペグーにもらった枯れかけた花を抱きしめて泣き続けた。

【個別エンド:ダンチョー】
・個別エンドなし……あなたが犯人として拘束された
・個別エンドA………あなたが次期族長に指名された
・個別エンドB………あなたとハシビロが犯人/次期族長に指名されなかった & 目標①、②を2つとも達成した
・個別エンドC………ハシビロが犯人/次期族長に指名された、もしくは目標①、②のいずれかを達成できなかった



個別エンドA 
 「……はあ? なんで俺が族長になるんだよ!」

 ピトフイに次期族長に指名され、玉座に座らされた俺は思わず天を仰いで叫んだ。何が掟だ!断る権利すらないなんて冗談じゃねぇ!

 ――
あれから数ヶ月。俺の日常は、ケツァールや補佐連中からの小言と、山積みの公務に完全に埋もれていた。
 
 「族長、この予算案に目を通してください!」

 「仕事が全部終わるまで、酒は禁止ですからね!」

 ……ああ、耳にタコができる。俺は自由な空を飛ぶ鳥になりたかったんであって、籠の中の王様になりたかったわけじゃねえ。

 だが、今に見てろよ。いつか必ずこの島から脱走してやる。あいつらの目を盗んで、最高にイカした脱出用飛行船を設計してな!

 何度転んでも立ち上がる。それが亡き親友レアから教わった、この俺の矜持だからな!


個別エンドB 
 族長コドルを殺した犯人は拘束され、事件は終わりを告げた。……そして、この忌々しい島も今まさに終わりを迎えようとしていた。

 離陸した『レアズアーク号』が島から十分に離れたのを確認し、俺は懐からトランシーバーを取り出した。ハシビロの持つ『飛鉱石のペンダント』を手に、トランシーバーのスイッチを入れる。


 「……さらばだ、偽りの楽園。……『バル・ケルトス』!」


 ――それはスカイラント語で「滅び」を意味する言葉。
 俺が呟くと同時に、トランシーバーの先から乾いた爆発音が響いた。島を浮かせていた巨大飛鉱石に仕掛けた爆弾が起動したのだ。
 
 今すぐに島が落ちることはないだろうが、莫大な浮力を失ったスカイラントは、もう二度とこの高度を維持できない。
 数日、あるいは数週間かけてゆっくりと高度を落とし……やがては墜落するだろう。

 「……悪いな、あんたの大事な故郷を壊しちまって。けど、これであんたも自由だ」


 隣に座るハシビロは寂しげに、だがどこか晴れやかな顔でスカイラントを見つめている。
 父さん……母さん……そしてレア。仇は取ったぞ。俺は高らかに笑うと、スロットルを力いっぱい押し込んだ。


個別エンドC 
 事件は幕を閉じ、コドルを殺した犯人は拘束された。

 ……だが、俺たちの作戦は失敗に終わった。
 『レアズアーク号』のバックミラーに映るスカイラントは、何事もなかったかのように平然と空に浮かび続けている。

  「……クソッタレが!」

 俺は操縦桿を思い切り叩きつけた。
 親友の無念を晴らすことも、両親の仇を取ることもできなかった。心の中でくすぶり続ける復讐の炎が、行き場を失って激しく燃え上がる。
 だが、まだ終わっちゃいねえ。
 いつか必ず、スカイラントを真っ赤に染めてやる――。 どんよりと曇った地上の空を横目に、俺は固く決意を噛み締めていた。
 

【個別エンド:ハシビロ】
・個別エンドなし……あなたが犯人として拘束された
・個別エンドA………あなたが次期族長に指名された
・個別エンドB………あなたとダンチョーが犯人/次期族長に指名されなかった & 目標①、②を2つとも達成した
・個別エンドC………ダンチョーが犯人/次期族長に指名された、もしくは目標①、②のいずれかを達成できなかった
 
個別エンドA 
 まさか、この私が次の族長に選ばれてしまうなんて……。
 ピトフイに指名された瞬間、頭の中が真っ白になった。私はこの閉ざされた「籠」から抜け出したいと願っていたはずなのに……結局、私は大空へ羽ばたく鳥にはなれなかったのだ。

 ……とはいえ、なってしまったものは仕方がない。
泣いても喚いても状況は変わらないのだから、こうなれば覚悟を決めるしかないだろう。私にしかできないやり方でこの島を根底から変えてやるんだ。

 けれど、島に蔓延る古い慣習、偏見。それらをすべて塗り替えるには、長い長い時間がかかるだろう。
 
それでもいつか、この島が本当の意味で「自由な楽園」になったとき、私は胸を張ってあの人に会いに行きたい――そう願っている。


個別エンドB 
 悪夢のような一夜が終わった。
 私は今、離陸した『レアズアーク号』の窓から小さくなっていく故郷を見つめている。ダンチョーが仕掛けた爆弾は無事に作動した。浮力を失ったあの島は地上へとゆっくり落下していくだろう。
 一族が何代にもわたって守り、維持してきた故郷。それを自分の手で壊したという、引き裂かれるような罪悪感に胸が締め付けられる。
 けれど……不思議ね。私の心には、これまでにないほど澄み渡った風が吹き抜けていた。

「……悪いな、あんたの大事な故郷を壊しちまって。けど、これであんたも自由だ」
 ぶっきらぼうな彼の言葉に、私は涙を流し深く頷いた。
 これからの島の番人ではなく、ただの一人の女として彼の隣にいたい。私は彼の大きな手に自分の手を重ね、二度と還らぬ空の彼方へと想いを馳せた。


 
個別エンドC 
 事件は幕を閉じ、島には再び平穏が訪れた。
 私たちが密かに進めていた「島を破壊する計画」は、結局、形になる前に潰えてしまった。

 今日も私は、島の禁域にある巨大な飛鉱石の前に立っている。
 脈動する石の冷たい輝きを見つめながら、私は自分の臆病さに、ほんの少しだけ安堵していた。
 ――私はあの人を愛していた。けれど、先祖代々守り続けてきた一族の使命を自分の手で断ち切る勇気は持てなかったのだ。

 メンテナンスを終えて外に出ると、そこには変わらぬ青い空が広がっていた。だけど、その空を自由に飛び回る夢を私はもう二度と見ることはないだろう。私はこの島で、死ぬまで「守護者」として生きていくのだ。


 

【個別エンド:ピトフイ】
・個別エンドA………あなたが自分自身を次期族長に指名した
・個別エンドB………あなたが自分自身を次期族長に指名しなかった & あなたが犯人として拘束された
・個別エンドC………あなたが自分自身を次期族長に指名しなかった & あなた以外の人物が犯人として拘束された



個別エンドA 
 ワシは自らを次期族長に指名した。
 それは決して保身のためではない。この島の血塗られた歴史と族長の重責を、これ以上誰にも背負わせたくなかったからだ。

 ワシの身代わりとして罪を背負わされた者には、言葉では尽くせぬ申し訳なさを感じている。
 けれど、ワシは生き延びてこの島を導かねばならない。

 古き慣習と掟に囚われたこのスカイラントは変わらなければならないのだ。とはいえ、それらををすぐに拭い去ることはできないだろう。
 だが、いつかこの島が変わり真に自由な方舟になる日が来るまで———ワシは「族長」という役職に課せられた責務にこの身を捧げる覚悟だ。



個別エンドB 
 ついにワシの犯した罪のすべてが暴かれてしまった。
 逃げようと思えば、いくらでも言葉を尽くして煙に巻き、別の誰かに罪をなすりつけることなど容易かっただろう。 しかし、もう疲れてしまったのだ。

 これから訪れる死に対し、最期の時、ワシは何を思うのだろうか?

 ――きっとワシの行き着く先は、地獄だろうな。……だが、それでいい。せめて、ワシの死がこの島に少しでも変化のきっかけを与えることを静かに祈ろう。


個別エンドC 
 ワシは、運良く逃げおおせた。
 ワシの代わりに罪を背負い、裁きの場へと引き立てられていった者の後ろ姿を見送りながら、ワシは自らの身勝手さを深く自覚する。
 ……だが、ワシにはまだ成すべきことがある。

 「族長。次の議題ですが……」
 ――ワシは今、新たなる族長の補佐として、執務室に立っている。この知略は、これからはこの島の「変革」のために使おう。古い掟と慣習に囚われたこの島は変わらねばならんのだ。

 あの日の過ちを胸に、ワシはこの空の新しい物語を影から支え続けていく。

【事件の真相】 
 物語の始まりは神話の時代――ノアの箱舟伝説に遡ります。
 地上を襲った大洪水から逃れるため、青年ノアは巨大な方舟を作って空に飛び立ちました。

 大洪水が収まった後、ノアは空に残り、方舟の上に文明を築きます。それこそが本作の舞台であるスカイラントです。
​ しかしそれから数百年、数千年後のキング・モアの治世。バルチャーという男が反乱を起こし、王位を奪いました。

​ このバルチャーの子孫が現在の族長コドルと娘のフラミィであり、地上に逃げ延びたノアの子孫がレアと息子のペグーです。その証として罰ルチャ―の子孫には『星型のアザ』が、ノアの子孫には『ハート型のアザ』が体に刻まれていました。

 

 5年前、スカイラントにやって来たレアをコドルが殺したのは、彼の体にあるハート型のアザを見てしまったためです。自らの地位を追われることを案じたコドルは密かにレアを殺害し、その存在を闇に葬りました。そして新たに空にやって来たペグーたちをも消し去ろうとしたのです。

 

 今回、その始末を命じられたのが、機械技師のオオハシでした。彼は飛行船が堕ちる細工をするようコドルに命じられましたが、葛藤のあまり事件当日まで実行に移すことが出来ませんでした。

 一方でダンチョーハシビロは、禁域(スカイラントの動力部)にある巨大飛鉱石を破壊し、この島を墜落させるという恐るべき計画を企てていました。

 ダンチョーは子供の頃、空から降ってきた落下物により両親を失っており、更には親友のレアを殺されており、スカイラントのことを恨んでいました。そんな中、一族の使命に縛られこの島から逃げ出したいと思っていたハシビロと出会い、この計画を実行するに至ったのです。

​ フラミィまたこの島を出て地上に行ってみたいと願っていました。彼は宴の最中、オオトリ広場で「父コドルにその胸中を打ち明けますが、猛反対され、言い合いの末に彼を突き飛ばしてしまいます。そして岩に頭をぶつけて気絶した父を見た彼女は、恐怖のあまりその場所から逃げ出しました。

​ しばらくして目を覚ましたコドルはふらふらのまま、西側の崖に向かいます。彼はこの夜、ピトフイに呼び出されていました。

 ピトフイコドルの計画を知り、彼を説得しようとしていたのです。しかしコドルが信念を曲げることはなく、挙句の果てにレアを殺したことを勢いで告白します。そのことに激昂したピトフイは夕刻頃に拾ったナイフでコドルを刺殺しました。コドルは最後の力で反対側の崖に飛んで逃げようとしましたが、その途中で力尽きて、断崖の離れ小島に落ちました。

 やがて断崖の離れ小島に人が倒れているのを、ハシビロが発見しました。しかし彼女はその死体を見て、驚きました。死体に刺さっているナイフは愛するダンチョーのものだったからです。

 このままではダンチョーが犯人にされると焦った彼女はナイフを抜こうとしますが、ナイフの柄はマナタイトという特殊な鉱石でできており、天空人である彼女はそれに触れることが出来ませんでした。

​ そこで彼女は「大罪を犯したものは翼を剥がれる」という天空人だけが知っている風習を思い出し、ダンチョーの疑惑を薄めるため、風習になぞらえて死体の翼をすべて剥ぎ取ったのです。


【推理導線】
 本作の犯人は、族長補佐の占い師ピトフイでした。
 では、どうすれば彼にたどり着けたのでしょうか?

 事件の現場となった「断崖の離れ小島」は、島の東西にある崖の中間地帯に位置しています。
 調査カードの情報から、助走をつけて全力で跳べばギリギリ届く距離ですが、逆に離れ小島から崖へ跳び戻ることは不可能だとわかります。
 
 島には東側の崖に続く洞窟もありますが、この洞窟は子供一人がようやく通れるくらいの狭さであり、しかも内部の壁面が脆いため、中を通れば、衣服に「黒い汚れ」が付着してしまいます。

 しかし、どの人物の衣服にもそのような汚れは見当たりませんでした。つまり、誰もこの洞窟を利用して行き来した者はいないと考えられます。 

 となると、翼を持たない者(ペグーエミダンチョーピトフイ)は離れ小島と崖を行き来することが不可能です。 

 では、翼を持つ天空人(オオハシハシビロフラミィ)のいずれかが犯人なのでしょうか?
 しかし、凶器となったナイフの柄は「マナタイト」という特殊な鉱石でできており、天空人はこのナイフを扱うことができません。


 地上人は離れ小島に行き来することが出来ず、天空人は凶器のナイフを扱うことが出来ない。

 一件誰にも犯行が不可能なように思えますが、ここで一つ注目すべき情報がありました。それは死体の胸の打撲痕です。

 

 死体は離れ小島にうつ伏せに倒れていました。

 犯行は西側の崖で行われ、コドルが最後の力で飛んで逃げようとした際に力尽きて離れ小島に落下したと考えると、すべての状況が符合します。 

 実際に西側の崖の縁には、わずかに血痕が残っていました。 

 

 天空人がナイフを触れる術が見当たらない以上、犯人は翼を持たないペグーエミダンチョーピトフイのいずれかということになります。

 なおピトフイは天空人ですが、マナタイトが翼に含まれる「飛素」と反応する以上、翼を持たないピトフイはマナタイトに触れることが可能と考えられます。

 

 では次に注目すべきは、ナイフの入手経路です。

 宴が始まる直前、森の近くを散歩していた村の老婆が、赤土の上にナイフが落ちているのを目撃しています。この森の地面はスカイラントでは珍しい粘り気のある赤土で、踏み入れると靴の裏にべっとりと付着する性質があります。

 

 各人物の様子を調べると、靴の裏に赤土が付着していたのはペグーダンチョーハシビロピトフイの4人でした。

 しかし、犯行時刻と思われる「日付が変わる鐘が鳴る前後」にペグーはカザキリ広場にいるのを兵士たちに目撃されており、 ダンチョーは東側の崖にいるのをエミに目撃されています。

 また、天空人であるハシビロはナイフに触れることができません。 したがって、残る容疑者はただ一人——ピトフイとなります。

 ※ちなみにペグーは朝に散歩している際、ダンチョーハシビロは禁域(祠)に入った際に森に立ち入っています。



【余談】 

 ノアを除いた本作のキャラクターはすべて鳥の名前から取られています。

 地上人は「飛べない鳥」、天空人は「日本にいない鳥」がモチーフになっています。


 ペグー   → ペンギン

 エミ    → エミュー

 ダンチョー → ダチョウ

 オオハシ  → オニオオハシ

 ハシビロ  → ハシビロコウ

 フラミィ  → フラミンゴ

 ピトフイ  → ピトフーイ

 コドル   → コンドル

 ケツァール → ケツァール

 レア    → レア

 モア    → モア(絶滅種)
 バルチャー → ハゲタカ(英名)

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